私は40歳を超えてからバイクの免許を取りました。
正確には42歳で普通二輪免許を取得して、43歳で大型二輪免許を取得しました。
それまでもバイクの免許を取りたいなと思ったことはありました(特に20歳代前半)。
しかし、当時は「周囲からの反対」や「自分でもバイクはやっぱり危ないかな」とか「コケたら痛そう」、「調子に乗って死にそう」とかいろんな思いが頭を巡ってなかなか行動に移せませんでした。
「周囲からの反対」については、皆私のことを心配して言ってくれているのは重々理解していました。やはりバイクは乗らない人からすると「とても危険な乗り物」というイメージがついています。
乗っている人からすると「ルールを守っていればそこまで危険ではない」と言われるのですが、やはり事故に遭遇すると命に直結する怪我や後遺症が残る可能性は自動車より遥かに高いというのは否定できない事実です。
もし、その忠告を無視して免許を取って事故でも起こそうものなら「だから言わんこっちゃない」って言われることも容易に想像できました。
その他には、車が好きっていうこともありました。若い時は車でドライブや車いじりをしてるだけで十分楽しかったです。
そんな感じで、いつしか「自分がバイクに乗りたいと思っていた」ことさえ忘れて日常を過ごしていました。
転機訪れる。
しかし、40歳を超えてからバイクのことを思い出すキッカケが訪れました。
それが
- 独り身になった(ここはサラッと・汗)
- 同い年の友人がバイクの免許を取得した
という出来事でした。
「一人になったのを機に新たなことを始めよう」と思っていた矢先に、同い年の友人がバイクの免許を取得してバイクに乗って遊びにきました。そこで間近にバイクを眺めているうちに「あっそういえば自分も昔、バイクの免許を取りたいと思っていたんだ」ということを思い出しました。
そこで、自宅近くにある自動車教習所に話だけでも聞きに行こうと出向きました。
教習所ではスタッフの方が「教習の日程」や「料金」などについて丁寧に説明してくれました。
それが11月のことだったのですが、「年が明けると学生さんたちが一斉に自動車の免許を取りに来るので、バイク教習の予約が思ったように取れなくなる。入校するなら早いほうが良い」との話を聞きました。
それを聞いて、「入校のタイミングは今なんじゃないか」「今入校せずに帰ったら気が変わってしまうんじゃないか?」「新たなことにチャレンジするのは今だよね」などの思いが頭を駆け巡り、その日のうちに入校を決意したのでした。
そして、その翌月(12月)から教習所に通い始めました。
自動車教習所に通う
翌月から自動車教習所に通い始めました。
初日の教習は「倒れたバイクを起こす」という一見簡単そうな実習から始まりました。
結果的に無事にバイクを起こすことはできたのですが、バイクの重さを肌で感じたことで、「こんな重いものに跨って、はたして走ることなどできるのだろうか?」「曲がる時ってどうすればいいんだろうか?」「半クラってどんな感覚なのか?」などの疑問と不安で頭の中が一杯になりました。
その後は、バイクの各部の名称や、操作方法を教えてもらい、早速バイクに乗る教習が始まりました。
バイクの教習は当たり前ですが、自動車の時と違って隣に乗ってはくれません。
いきなり一人です。
自動車の教習なら「何か間違いを起こしたら教官がブレーキを踏んでくれる」というある種の保険がありますがバイクにそれはありません。
いきなり一人でバイクと向き合い、個の「実力」「センス」が試されることになります。
もし間違ったことをしても教官はバイクを止めてくれません。止めるのは自分です。
これがすごいプレッシャーでした。
初日にS字を走るという課題があったのですが、いきなり転倒してしまいました(TОT)
幸い怪我はなく、バイクも無事でしたが、早くも現実が見えてきて「この先やっていけるのだろうか・・・」と不安になったのでした。
教習のやり方は?
教習は生徒2人に対して、教官が一人つく感じで、生徒が少ない時は教官とマンツーマンということもありました。
教習中はインカムで教官と繋がっていているので、いつでも会話ができました。
分からないことはその都度何聞ける点はとても良かったです。
失敗した際は「すぐにアドバイスをしてくれる」のですが、こっちは平常心ではないのでその場では理解できないことが多かったです(頭では解っていてもできない)。
その場では出来なくても、教習が終わって自宅で考えていると、出来なかった原因が頭に浮かんでくるのでそれを次回の教習で試して少しずつ上達するというのを繰り返していたように思います。
教習に来ている年齢層は?
私は42歳の時に普通二輪免許教習に通いましたが、教習を受けている人を見ると、20歳代の方が最も多く、その次に30歳代が多かったと思います。
私と同学年か、年上の方もいましたが、その方達はだいたい大型二輪免許へステップアップのため通っている人が大半でした。
教習に通っていると、同じように一人で通っている人と顔見知りになってきます。
皆、目的は同じなのでアドバイスをもらったり、世間話をしたりできるようになりました。
一人の方とLINEの交換をして結果報告とか情報交換をしていました。
その方と今は全然連絡を取ってませんが、そういうのも励みになりました。
苦手な課題ベスト3は?
3位:クランク
最初、クランクは何回も失敗しました。
バイクを低速でコントロールする必要があるのでバランス感覚が試されます。
ニーグリップはとても大切です。
低速でカーブに入るので、バランスを崩しやすいし、大きめに回らないと内側のパイロンに触れたり、パイロンを倒したりしてしまいます。
内輪差をしっかりと意識しましょう。
私はギア1速を選択していましたが、人によっては2速の方がやりやすい人もいます。
2速の場合は速度が出過ぎてしまう時があるので、その時はリアブレーキを引きずる感じで速度を落としましょう。
- しっかりとニーグリップを行い、低速でもバランスを崩さないようにしよう。
- 最短距離を走ろうとせず、内輪差を意識しカーブは大きく回ろう。
- 目線は下を見過ぎず曲がる方をしっかりと見よう。
- 速度が出過ぎてしまった場合は、リアブレーキを引きずり速度を落とそう。
2位:スラローム
スラロームを上手く走るのはリズムが大切になってきます。
速く走るには「車体を傾ける」ことと、「アクセルをひねること」を行わなくてはなりません。
他の課題でこれらはあまりやってきていないので、慣れるまでは上手くいきませんでした。
具体的なコツは、1つ目のパイロンまではアクセルを開けますが、1つ目のパイロンの位置に前輪がきたら「アクセルを戻します」。
この戻すのはだらっと戻すのではなく一気にゼロまで戻します。
そこでバイクを傾けていきます。
傾けるのは左に曲がりたい場合、右の膝をタンクに押し付けるイメージです。
ニーグリップはしっかりと行います。
これをしっかりと行っているとバイクと体が一体になってバイクがブレず曲がりやすくなります。
それと目線もかなり重要です。
下ばかり見ていたり、次のパイロンばかり見ていると上手くいきません。
バイクは見た方向に曲がる性質があるので、曲がりたい方向をしっかりと見ます。
曲がったらすぐに切り返しになるので、目線は下げず、次の次のパイロンをメインに見つつ曲がる際は、行きたい方向にしっかりと顔を向けると上手くいく可能性がグッと上がります。
パイロンを回ったらアクセルを一瞬ひねることで傾いているバイクを起こすことができます。
アクセルを捻るのは間違っても一瞬です。
「ブオーン」ではなく「ブン」と短くリズミカルにいきましょう。
これにより傾いていたバイクが起きてくれます。
この時スピードが出過ぎてしまうと、次のパイロンを曲がりきれなくなったり、コースアウトの原因になるので注意が必要です。
もしスピードが出過ぎてしまったらすぐにリアブレーキで減速しましょう。
スラロームは普通二輪と大型二輪で採点基準になるタイムが次の通り変わってきます。
- 普通二輪(400cc以下):8秒以内
- 大型二輪(401cc以上):7秒以内
卒検は70点以上で合格ですが、上のタイムを1秒上回っても5点しか減点されません。
しかし、パイロンの接触してしまうと20点の減点になってしまいます。
卒検ではタイムのことはあまり考えず、パイロンに接触しないよう気を付けて走りましょう。
1位:一本橋
私にとってこの「一本橋」がダントツの苦手ナンバー1位になります。
この課題は本当に苦労しました。
もうこのまま一生出来ないんじゃないかと思うくらい(滝汗)
以前、私がこの一本橋について書いた記事があるので、もしご興味のある方はご覧になっていただけると幸いです。
下記に記事のリンクを貼っておきます。
まとめ
今回は「私が40歳を過ぎてバイクの免許を取得した訳と教習所で苦労したこと」について書いてみました。
教習所に通うことは楽しいこともあると思いますが、時に上手くいかない時など行きたくなくなったり、上手くできない自分が情けなくなったりすることもあると思います(自分の場合、行きたくない日の方が多かったです)。
それでもたくさん苦労した方が良いと思います。
その時は辛いですが、苦労して取った方が公道で慎重になり、結果的に事故防止に繋がるのではないかと思います。
逆に苦労もなしに取れてしまった方が後々心配です。
私は大変苦労した部類ですが、今となってはそれで良かったと思っています。
それと、40歳という年齢は人生の中で大きなターニングポイントになると感じています。
趣味がある人、ない人、人それぞれです。
でも、「何か自分が打ち込める」とか「一人でも楽しめる」趣味を持っていた方が以降の人生は豊かに過ごせると思います。
「ぐっさん」こと山口智充さんの言葉にこういうのがあります。
世の中の人間っていうのは2種類しかいない、バイクに乗っている人か乗っていない人。バイクに乗ってない人は損してないんですよ。ただ、バイクに乗っている人は得している。
私はこの言葉にとても共感できます。
バイクに限ったことではありませんが、何か楽しめるものを見つけられたらいいですね。